スペシャルトーク

朝日 健太郎

    北京五輪ビーチバレー日本代表 日本ビーチ文化振興協会理事

 ビーチバレーは、より総合力を求められるスポーツです。

サーブ、レジーブ、トス、アタック、ブロックという、一つ一つの要素が求められ、より個人競技に近いチームスポーツであると朝日氏はおっしゃっていました。

 2人で競技を行ない、メンバーチェンジもできず、試合中は監督、コーチもいないので、個人競技でもあるんだけれども、2人でやりますから、そこでの調和ももちろん大事です。

 インタビューの冒頭で、朝日氏は「たまたまビーチバレーがあったから」とおっしゃっていましたが、この様々な要素を求められ、周りに支えられながらも、個々としてもしっかりと自立しなければならないビーチバレーというスポーツは、朝日氏の人生に対する取り組み方と共通している部分があると感じました。

 これからも「子煩悩なアスリート」として。ロンドンオリンピック、そしてその先の人生を朝日氏がどのように突き進んでゆくのか楽しみです。

ビーチバレーを始めたキッカケ

 6人制のインドアバレーを長く続けていまして、日本代表チームにも選出されて、そこで試合をしていました。

中学校から始まり高校、大学と色々な選抜チームと実業団を経て、日本代表チームでは4年間やっていました。

 今だから分かる部分もあるのですが、燃え尽きていたというか、目標を見失っていたのかもしれません。気持ち的に摩耗しており疲弊していた。それでもすぐに試合をやらなければならない。試合に追われていたというようなところが正直なところです。当時は口にもしませんでしたが、心のどこかで「また試合をしなければならないんだ」という気持ちがあったんだと思います。1年間に10種類くらいのユニフォームがあった時期もありましたからね。

そんなころにビーチバレーを出会いました。

ビーチバレーが妙に魅力的に見えました。やはり自分がそういう状況でしたし、もちろんそれまでは色々な意味で整った環境にはいたんですけれども、ビーチバレーという全く未知のやった事もない、単純に考えて飯食うのも大変だろうなという世界に、妙に憧れてしまった。

 また、ビーチバレー+オリンピックというキーワードが非常に魅力的に見えました。自分を理由付けするときに、ああー、オリンピックが狙えるんだというのが、最大の転向の理由でした。

ビーチバレーという競技は確立されていませんでしたので、「遊び」の部分から入るイメージもありました。

 正直に言うと、6人制のインドアバレーを飛び出し、そして「そこにビーチバレーがあった。」という感覚。

 

ビーチバレーに転向するという事は、脱サラして1人のプロアスリートとして生きてゆくという事

 ちょうど、時代的には「アスリート」という言葉が出てきており、「本当に世界で勝って行きたかったらプロじゃないのか」という雰囲気が出始めていた頃でした。今でこそ、バレーもプロ契約選手はいますが、その頃はまだ外国人選手しかいなかった。

 それがまずあったし、だったらプロなのかなと、そこまでは意識はしていませんでしたが、順番で言うと、ビーチバレーが好きでという事よりも、「競技で勝負したい」という気持ちの中で、ビーチバレーを選択したという事になります。

 感覚で言うと独立して会社を興すような感覚。それが10年前。脱サラです。

 最初は右も左も分からず、チームを離れて1人で生きてゆくという事は、単純にお金がかかるんだなと思いましたね。

交通費から飯食うのから何から何までお金が(笑)

 最初の頃はチームを作ってスポンサーになって頂ける方々に支えられ活動していました。やはり、仕事(アルバイト)をしながらアスリートを続けるという事は非常に困難で、仕事優先になってしまう事もままならない状況であり、それで結果も出さなければならない。生活の基盤を整える事が一番大変でした。

プロのアスリートとして

 インドアの実業団チームにいた頃は非常に恵まれていました。

一番何を感じたかというと、単純にお金の管理から始まって、練習の時間、試合の時間と、そういう自分の管理、それを自分でやれるというのが良くも悪くもそこが一番の違い。そこができて初めて成立するんだなと思いました。飯も食わなければいけないし、生活もしなければいけない、かつ練習をして試合で勝たなければならない訳ですから、転向するまでは、最初の部分は会社が全部やっていてくれた。練習と試合だけをやっていればいい。そこに生活の事が増えた事で、そこに時間もとられるし、気を使ったりしますけど、逆にそれがあるからこそ、試合に勝たなければいけないし、そのために練習もしなければならないというモチベーションも生まれてくる部分もある。

 学生時代の部活の延長だったバレー選手から、プロのアスリートになれたのではないかと思います。やはり、根本的に競技に向かう姿勢がまるっきり変わりました。だから、今競技をやる上で楽しく感じるのかもしれません。

「人生そのものを自分で整えて、作り上げて、試合に勝つ!」

ビーチ文化振興協会の理事として

 日本は「ビーチ」とは言わず、「海辺」「浜辺」といわれます。やっぱり海辺の文化が世界とは違うのでしょうね。日本では「海で遊ぶ=海水浴」でしたが、最近では海水浴人気も低迷し、マリンスポーツをやる人もそれほど国民のなかでは占めていないし・・・。

 そんな中、自分はビーチを使って仕事をしているわけで、ビーチの楽しさを十分に分かっていてこの自然を愛している。島国である日本人はおおいに利用すべきだ!という気持ちからこの協会の合い言葉である「ビーチライフ」に賛同しました。それまでは自分はそういう文化活動のような事は全くやってこなかったので非常に興味があり、率先して協力させてくださいという形で、そして、実際にやってみると非常に楽しい。今までは、ボランティア的な活動は行ってきましたが、それすらを自分達でアイディアを出し合って企画して行なうというと事に非常に魅力がありましたし、もう6年になりますが。キッカケは日本のビーチが使われていないのがもったいない、というところから始まっていて、おおいにビーチを使う私たちが率先して「ビーチの楽しさ」をイベントを通してふりまいています。ビーチバレーをやったり教えたりとか、ゴミバスターというゴミ拾いの隊長をやったりとか、ビーチに遊びに来て頂いた方々と触れ合って楽しんでもらう。イベントを通してビーチの必要性を体感頂ける実感を感じます。あとは、でかい身長を活かしてマイクを通しメッセージを広く伝えています。

「みなさん!夏以外もビーチは楽しいんですよー!」

様々な人生の経験を全て競技に活かす

 ビーチバレーに転向してからは世界が広がって色々な方との交流が増えるようになりました。ためになることはやはり多いですよね。6人制ではない世界がたくさんある。様々な人たちがいるという事が、全て競技に反映されていますね。

競技だけに集中してることももちろんいいかも知れませんが、僕はどちらかというと、興味が色々なところにあるタイプなので、現状が非常に楽しいです。

 ビーチバレーの練習は1日24時間の中の数時間ですから、それ以外は色々な活動もしたいし、その中に、ビーチ文化振興協会の仕事があるということは非常にメリットとしてとらえています。

子供を持つようになって

 今、やっと8ヶ月になりましたが、子供っぽくなってきてかわいくなってきた。色々と反応するようになってきました。

結婚したときもそうでしたが、そういう生活というか競技外の充実というのは、やはりどこかで競技に繋がるだろうな、プラスに働くだろうなと思っていますし、今はまだ娘が生まれて1年も経っていないですけれど、よくスポーツ選手のコメントでありますよね「家族のために」とか、いまいちピンと来なかったんですけれども、ピンとくるようになっちゃいましたね。1人ではないんだなという気持ち。家に帰った時の安堵感というようなものは格段に違いますね。

 協会の活動でも、今までは子供達には単純にスパルタでビシビシやって行けばいいやと思っていたのですが、やはり、自分が子供を持ってみて考え方も変わりました。正直それまでは「最近の子供はなってねーな、泣かしてやれ」くらいの気持ちでやっていましたが、違うんだなと、子供たちも様々な個性があり、こちらも一辺倒ではダメだなと考えるようになりました。

 まあ、基本はスパルタの方向なんですが、子供たちもいろんな事を考えているんだなということを教えてもらったので、いざ自分の子供がいて、友達のお子さんとかを見るようになって、「あーいろんな表情もあるし、1人ずつ違うんだな」と思うようになりました。そんなところを気にかけながらビーチでも子供たちに楽しんでもらうようになりました。

子煩悩なアスリート

 僕は、ブログでもそうですが、これからは「子煩悩なアスリート」として売って行こうかなと。今まで娘を前面に押し出して行くのは二の足を踏んでいたのですが、これからはどんどん前面に押し出していこうかと思っています。娘の事を大好きだし、周りも楽しいし。ぼくも楽しいし、そこから競技に向かいたいと考えている。娘が分かるまで、ロンドン目指して頑張りたいと思っている。リオも41歳ですしね。

                                  2010年春

 

 

 

 

 

 

 

朝日健太郎[あさひ☆けんたろう]

 

1975年生まれ 熊本県出身

 

バレーボールのトップスターから、2002年ビーチバレーに転身し脚光を浴び、「サンライズブロック」を武器にビーチバレー界トップとなる。

北京オリンピックでは日本男子初9位を獲得。

 

ホームページ:http://www.asahi-kentaro.jp/

朝日健太郎+ビーチマガジン

 

今回のインタビューの掲載されているビーチマガジン

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